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「業績悪化改定事由」の取扱いの追加

2012/04/10
こんにちは。


平成24年4月3日付けで、『役員給与に関するQ&A』に記されている「業績悪化改定事由」の取扱いにつき、下記の内容が追加されました。



〔Q1-2〕
 当社(年1回3月決算)は、ここ数年の不況の中でも何とか経営を維持してきましたが、当期において、売上の大半を占める主要な得意先が1回目の不渡りを出したため、その事情を調べたところ、得意先の経営は悪化していてその事業規模を縮小せざるを得ない状況にあることが判明し、数ヶ月後には当社の売上が激減することが避けられない状況となりました。そこで、役員給与の減額を含む経営改善計画を策定し、今月から役員給与を減額する旨を取締役会で決議しました。
 ところで、年度中途で役員給与を減額した場合にその損金算入が認められるためには、その改定が「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」(業績悪化改定事由)によることが必要とのことですが、当社のように、現状ではまだ売上が減少しておらず、数値的指標が悪化しているとまでは言えない場合には、業績悪化改定事由による改定に該当しないのでしょうか。

〔A〕
 貴社の場合、ご質問の改定では、現状では数値的指標が悪化しているとまでは言えませんが、役員給与の減額などの経営改善策を講じなければ、客観的な状況から今後著しく悪化することが不可避と認められますので、業績悪化改定事由による改定に該当するものと考えられます。


http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf



内容を考えるに、将来的観測を含めたものとは言え、業績悪化を理由とした減額であるのに間違いないのですから、該当するのが当たり前とも言えます。


役員給与に係る法改正時、役員給与の期中増額のみならず、期中減額についても、法人税法上損金算入に係る縛りが設けられました。

しかしながら、その後景気低迷が続いていることもあり、期中増額についての制限はまだしも、期中減額について税法上全額損金算入に制限を設ける合理性がうすらいでいると感じます。

よほどの悪質な利益調整等を除いて、通常の業績悪化を理由とした役員給与期中減額は合理性のあるものです。にもかかわらず、当該ケースにおいて全額損金算入に制限を受ける場合がもしあるとしたら、それはあまりにも酷なことです。

業績を理由とした役員給与の減額につき、今以上に税法上取扱が柔軟になることを期待したいものです。


 

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