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土地等の譲渡における注意点

2012/01/04
こんにちは。


確定申告が近づいておりますので、今後は所得税に係る情報を多めにご紹介したいと思っております。

今回は『譲渡所得』に係るお話です。

主に土地や建物を譲渡したときに発生する『譲渡所得』は、『不動産所得』と区別が難しいケースがあります。

それは、土地や建物の譲渡を継続的に、事業として行っているとみなされた場合です。

土地や建物に係る譲渡所得は、分離課税といって、他の所得とは別で計算し、税率も優遇されています。


一方、不動産所得となると、総合課税となり、通常の累進課税税率(所得額が大きくなればなるほど税率が高くなる計算方法)により計算されるため、もし譲渡所得として申告し、後に課税庁より不動産所得と認定された場合、多額の追徴課税が発生する場合があるため、注意が必要です。

さらに注意が必要なのは、土地に区画形質の変更を加えた上で譲渡した場合は、継続的に行われた譲渡でない場合でも、役務の提供の対価とみなされ、『雑所得』等に該当してしまう可能性があることです。

雑所得となると、総合課税であるとともに、他の所得と損益通算ができないため、さらに税額負担が大きくなる可能性があります。

下記は、譲渡所得か雑所得かで課税庁と争われた国税不服審判所における裁決事例です。


〔低湿地を盛土して譲渡した場合の所得いついて、雑所得ではなく譲渡所得に該当するとした事例〕

<裁決要旨>

取得した低湿地を2~3メートル盛土して譲渡した場合において、

・埋立工事は、2~3メートルの盛土をしているが表面をならしただけで、下水道工事はもとより、隣接地との境界に対する擁壁工事、石垣積み等の工事をしておらず、その境界は土盛りのまま傾斜地となていたため雨水等によりくずれ落ちる危険性が高く、そのまま宅地として使用できる状態でなかったなどの事実が認められる。


これらのことから、宅地ないし宅地に近い状態にまで区画形質の変更が加えられて譲渡したものと認められないから、その譲渡による所得は譲渡所得に該当し雑所得に該当するとした原処分は相当でない。


昭和55年6月13日裁決 裁決事例集 No.20 58頁 より一部抜粋



とこのように、上記ケースは納税者有利の裁決が出た事例です。


 

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