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「武富士事件」は今後納税者にどのように働くか?

2011/06/22
こんにちは。


2月18日に最高裁判決が下ったいわゆる「武富士事件」をご存知でしょうか?


タビスランドより
http://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/b6c131437f3cfe4a49256619000ed3d6/c326c3ef80e8e948492578460008e1d9?OpenDocument


納税者の住所が国内にあるか、香港かによって贈与税の納税義務の有無が異なることから争った裁判ですが、結果最高裁は納税者の住所が香港にあることを認定し、贈与税の納税義務は無いということで約2,000億円という金額が納税者に還付されたため、ニュースでもたいへん話題になりました。


この裁判は税法上の「住所」の認定基準について大きな影響のある判例となりましたが、加えて「租税回避」の事実があっても、当該事実による「租税回避」を否認する法令の規定が無ければあくまでも否認ができないという方向性を示した判決ともいえます。

つまりこの納税者が香港に滞在したことが「租税回避」を目的としていたとしても、その結果免れた納税義務は、あくまでもそれを否認するような法令が制定されていなければ(贈与当時)、否認することができないと最高裁判決は示したのです。


このように、法律の根拠がなければ、税金を課すことができないという考え方を「租税法律主義」(日本国憲法84条、30条)といいます。

このニュースが流れたときに、中には「なんでこの財政難の中、そんな巨額の税金を還付しなければならないのか!」と感情的に思った方もいるかと存じます。


しかしながら、今回の裁判で「租税法律主義」を厳格に貫いて判決した点は、今後の租税裁判で納税者有利の判決が増加するためにも、非常に評価できるものであったと解釈できるのではないでしょうか?


「武富士事件」について詳細にコメントしたいことはかなりあるのですが、、、、仕事がたまってしまうので本日はこのへんにしておきます・・・・。


 

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