Mobile Navi

税務コラム

税務コラム

税務コラム

 

トップページ > 税務コラム一覧 > 相続に係る注目裁判

相続に係る注目裁判

2011/05/09
こんにちは。


2ヶ月半ほど前ですが、相続に係る注目すべき判決が出たので、ご紹介いたします。


2011.02.22最高裁第三小法廷判決



この事件は、相続人の一人に遺産のすべてを「相続させる」旨の公正証書遺言をしたものの、被相続人が亡くなる前に、その相続人が先に亡くなってしまったことから争いになったという内容です。

被相続人が亡くなった後、遺言から外れた他の法定相続人が、公正証書による遺言内容はあくまでもその相続人に対してのみ効力をもつものであり、今となっては効力を失ったと主張して、相続させるとされた相続人の代襲者等に対して相続財産である不動産の共有持分権の確認を求めて争われてきたという事案です。

 これに対し最高裁は、

『「相続させる」旨の遺言は、その遺言によって遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合は、相続させる旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況等から、遺言者が推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはないと解するのが相当である』


と判示して控訴審の判断を支持し、代襲者側の上告を棄却したのです。


今回の裁判では、遺言を書く際にその相続させたい相続人はもちろんのこと、万が一の場合その代襲者にも優先的に相続させたいときには、その特段の事情の取扱を遺言に明記しなければならないことが明らかとなった判決と言えます。


 

金山会計事務所 ページの先頭へ