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税制改正~相続税について思う~

2011/02/21
こんにちは。


平成23年度の税制改正大綱が発表されてから、その改正内容にあちらこちらで議論が交わされているようですね。


法人税、消費税、所得税、相続税等の各主要な国税それぞれに大きな改正点があり、全体像としては、景気回復のための法人税の減税を所得税・相続税の増税で賄うという感じがいたします。


今回相続税に関して言及すると、基礎控除金額が大きく減額されることで、資産家などの富裕層の相続時の増税はもちろんですが、今まで相続税とは無縁であったようなかなりの所得層が課税の対象となる予定です。


さて、相続税の一般的な課税根拠の一つとして、不労所得であるが故、そこに担税力(税金を納めることができる要素、能力)が存在するという考え方があります。


しかしながら、相続税については納税時においていくつかの問題があります。


一つは、納税の時期が被相続人が亡くなったときに発生することから、納税準備が不十分なケースが存在することです。


また、課税対象が土地などの不動産が大きな割合を占める場合が多いことから、納税のためのキャッシュが十分でないケースが考えられます。そのため、物納という納税方法が認められているのです。


つまり、不労所得が故の担税力の存在は否定できないものの、所得税や法人税と比較して準備面という部分においては不利な税目であるとも考えられるのです。


当該性質の相続税について、「基礎控除額3,000万円+法定相続人の数×600万円」という大綱通りの改正となると、今後は生活水準が決して高い親族だけが課税対象とはいかないでしょう。


予期せぬ被相続人の死亡時などは、納税資金不足のため土地、建物等を手放さなければならないケースが増えてくるのではないでしょうか?


一定の救済措置が十分に規定された上での改正が望まれるとともに、非課税枠を利用した贈与など、できるだけ早めの相続対策が有効と考えられます。


 

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