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『外注費』と『給与』の区別

2011/01/10
こんにちは。


本日は、『外注費』と『給与』との区別について述べたいと思います。

会社の経費の内、『外注費(外注加工費、業務委託費他)』と『給与(給与手当、賃金、雑給他)』の区別が難しいケースが多々あります。


ある会社が、個人たる業務者と直接業務を委託するかたちで契約を交わしている等の場合でも、実体は従業員とみなされるような勤務形態等であった場合、当該業務者に支給される金員が税務調査で『給与』と認定されるケースが存在します。

支給を受けた者にとっては、事業所得か給与所得かで所得税の計算方法が異なるのと、その者の所得が全て給与所得と認定される場合、消費税の納税義務がなくなることもあり、認定の内容が大きく影響を及ぼします。

一方支給した会社側にとっても、消費税の計算において大きく影響を及ぼすため、注意が必要です。


消費税額の計算上『外注費』は課税仕入として課税売上に係る消費税から税額控除できる一方、『給与』は非課税仕入であるため、課税売上に係る消費税から税額控除できません。


故に、『外注費』として計上していた経費が税務調査等で『給与』と認定された場合、多額の消費税の納税漏れが指摘されるケースが生じてしまうのです。


加えて、『給与』と認定された場合、当該支給から天引きすべき源泉所得税の納付漏れも指摘されるケースがあります。

所得を事業所得か給与所得か区別する際の基準としては、


事業所得
・自己の計算と危険において独立して営まれている。
・営利性、有償性を有している。
・反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務である。

給与所得
・雇用契約又はこれに類する原因に基づくものである。
・使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付である。
・支給者との関係において空間的、時間的拘束を受ける。


等の一定の見解がいくつかの裁判で示されています。同時に上記判断基準が『外注費』と『給与』との区別においても適用されることとなります。


しかし、上記定義だけでは具体性に欠けるため、実務上は個々の事案につき、専門家に相談の上で契約関係、支給形態、勤務形態、勤務条件等をふまえて個別に判断する必要があると思われます。


 

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