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死亡時における配偶者控除、扶養控除の取扱い

2011/01/06
今年もよろしくお願い申し上げます。


本日は、確定申告においての死亡者に係る配偶者控除、扶養控除の取扱いについ
て述べたいと思います。


まず原則として、納税者による確定申告において、その納税者の配偶者や被扶養者が
配偶者控除、扶養控除の対象になるか否かは、その対象となる配偶者又は被扶養
者のその年の1月1日から12月31日までの所得によって判定されます。


ただし、例えば控除の対象となる配偶者又は被扶養者がその年中に死亡した場合
は、その年の1月1日から死亡時までの所得等の現況によって判定されます。


一方で、確定申告をする納税者(被相続人)が年の中途で死亡した場合、当該年
中の申告についてはその相続人が通常行うこととなりますが、その場合の被相続
人の配偶者、被扶養者であった者が当該申告の配偶者控除、扶養控除の対象にな
るか否かの判定は、少々ややこしくなります。

原則は、納税者の控除対象配偶者又は扶養親族に該当するかどうかの判定は、そ
の年の12月31日の現況によることとされていますが、その納税者が年の途中
で死亡した場合は、その死亡時の現況により判定することとされています。


加えて、これはあまり知られておりませんが、年の途中で死亡した納税者の控除
対象配偶者又は控除対象扶養親族に該当した人であっても、その後その年中にお
いて相続人等他の納税者の控除対象配偶者又は控除対象扶養親族に該当する場合
は、その納税者の控除対象配偶者又は控除対象扶養親族として控除の対象となる
ことができます。
(所得税法83、84、85、所得税基本通達83~84-1 参照)

つまり、被相続人と相続人それぞれの控除対象配偶者又は控除対象扶養親族とし
て所得控除を同年中に2回適用されることになるのです。


さらに言及すると、納税者の死亡時までの計算期間においては、その配偶者又は
被扶養者の所得金額が控除対象となる範囲内であったとしても、その年の12月
31日までの計算期間においては対象とならない所得金額となるケースが考えら
れます。


このようなケースについて、先日国税不服審判所において裁決がなされています
(国税不服審判所、2009.12.07裁決)


裁決によると、控除対象の判定は原則1月1日から12月31日までの収入金額
又は総収入金額を基礎に計算されることから、それらの合計所得金額についても
1月1日から12月31日までの期間で計算されることになると指摘し、結局そ
れは、配偶者控除を受けようとする納税者が年中に死亡していたかどうかで異な
るものでもないと判断されたのです。


間違いやすいケースと考えられますので、注意が必要です。


 

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