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犯罪による収入って税金がかかる?

2010/02/02
こんばんは。もう2月とは早いものですね。

 本日は、税金計算をする上での収入金額という考え方について、かなりざっくばらんではありますが、お話ししたいと思います。

 まず、前提としてお話したいのは、個人に係る所得税や、法人に係る法人税は、所得に対して税率をかけることで納付べき税額が確定します。つまり、税金を考える上で「所得」を把握することは非常に重要と言えます。

 そして「所得」は、所得税・法人税ともに基本的には収入金額から費用金額を差し引いて計算するため、「収入」、「費用」を把握することも税金を考える上で非常に重要になるのです。

 その内、収入について説明すると、収入金額がいくらであるか、という「範囲」の特定、また収入金額をいつ認識するか、という「時期」の特定をする上で、重要な考え方として「権利確定主義」というものがあります。

 難しいことばだと感じられるかもしれませんが、民法や会社法などの法律上、収入する権利が確定したときにその金額を収入として計上するという考え方です。

 収入を認識する上でこの考え方は非常にわかりやすく、法律上の権利で認識するのではっきりしているという部分でも、収入金額の「範囲」・「時期」の特定において多く採用されております。

 ただ、この「権利確定主義」の考え方では認識できない収入として、詐欺、脅迫、窃盗などによる収入が考えられるのです。

 「権利確定主義」の範囲内では、上記のような違法的な収入については税金がかからないことになってしまうのです。

 確かに現実として違法的収入については、後日当該収入が裁判や逮捕などによって無効、取消になる可能性があるが、そうならない場合も多く、にもかかわらず税金が発生しないというのは問題があるのではという考え方が生まれました。

 その後、「管理支配基準」という考え方が生まれました。
 この考え方は、法律で守れているか否かは別として、経済的利益がそこに存在する限り、担税力(税金を納める力、余力)があると考え、収入を認識するというものです。
   
 この考え方だと、窃盗、横領などの不法行為により収入を得た場合にも所得を認識することができ、後に無効等になったとしても、そこで手続きをすれば税金を払い過ぎた分として還付請求することが出来るため、現代は「権利確定主義」を補完する考え方として浸透しているのであります。

 上記の内容はどちらかというと「学問」的な考え方ではありますが、実務においても基本的には上記のような考え方をもとに、具体的な種々の取引において収入の認識時期、金額を特定していくこととなるのです。


 

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