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名義預金って何?

2013/10/30
こんにちは

首都圏在住の友人と久しぶりに会ってお食事をしてきました。

私の年齢になると、親も高齢化しており親御さんをなくされる方も多いのです。

「実はね、うちの父親が今年の1月に亡くなったのよ。」

「えーそうだったの、それはご愁傷様です。寂しくなったでしょう。」

「まあ充分介護もしたしね・・」

などという会話が交わされるのですが、職業柄よく聞かれます。

「実はね・・私30代のときに父親にちょっとまとまったお金をもらっちゃって。」

まあ、彼女が資産家のお嬢様だということは周知の事実ですから・・

「それで、税理士さんに必ず数年後に調査が入るから、親にもらったお金はすべて申し出てくれって言われてね。これ、どうしよう?」

 

「20年も前の話よね~もう、贈与税の時効がきてるわよ。」

 

と、たやすく言っちゃって良いのでしょうか、これ。

相続財産のうち金融資産で贈与が完了していると誤解されがちなもので、名義預金というのがあります。

名義預金とは

「形式的には配偶者や子、孫などの名前になっているが、これらの者の収入からして、実質的には真の所有者がいる。つまりそれら配偶者や子、孫などの名義を借りているに過ぎない預金」のことをいいます。

つまり被相続人が生前に、かわいい孫や子供の名義でとりあえず使わないお金を銀行や郵便局に預けた場合の、その預金のことです。

 

相続が発生した場合、金融資産については不動産や有価証券とは異なり、名義人が誰であるかではなく、その真実の権利者が誰であるかを実質的に判断することになります。

 

この判定には以下の事実を確認します。

1.預貯金の預け入れ資金の拠出をした者は誰か

2.預貯金の開設の申請等の手続きをした者は誰か

3.預貯金の預け入れ、引出しを行っていた者は誰か

4.預貯金の通帳の保管場所はどこで、管理していたのは誰か

5.引き出した預貯金の使途は何か

6.印鑑の保管場所や管理していた者は誰か

7.印鑑は当該預貯金の名義人以外の者の預貯金の登録印鑑として使用されていないか

8.名義人の住所及び金融機関等の所在地との関係に不自然な点はないか

 

被相続人が通帳や印鑑を管理していた場合は、贈与とは認められません。

また通帳の住所や印鑑は被相続人ではなく、受贈者のものでなければ贈与したものとは認められないでしょう。また、預金利息は受贈者の預金口座に振り込まれていなければ不自然ですね。いずれにしても多額の現金を子や孫の名義にするときは、贈与税が発生するとの認識が必要と思われます。

 

ところで、この友人の場合、金額の多寡によって資金の拠出は問題にされるかもしれませんが、長らく会社員としての収入があり、通帳、印鑑は友人のもので、預金の出し入れも自分で管理しているため「真実の権利者」はこの友人であると認められるのではないでしょうか。

(K.T)

 

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