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老人ホーム入居時の小規模宅地等の特例

2013/04/23
こんにちは。


平成27年からの相続税の実質増税に伴い、「小規模宅地等の特例」が適用できるか否かで、今後より税負担に大きな違いが生じることとなります。

「小規模宅地等の特例」とは、被相続人が居住用として使用していた宅地等について、一定の要件に該当する場合、その評価額の最大80%が相続税の計算上軽減されるというものです。


今回の改正の中の一つでご紹介したいのが、平成26年1月1日以後に適用となる「老人ホーム入居時の小規模宅地等の特例」に係る改正です。

従来、被相続人が相続の直前において老人ホームに入居していた場合、一定の要件に該当しなければ、自宅の土地について被相続人の居住の用に供されていたものとみなされず、「小規模宅地等の特例」が適用されませんでした。


この度の改正で、その一定の要件が緩和され、特例が適用されるケースが増えるものと思われます。


被相続人が老人ホームに入居していた場合でも、自宅の土地につき「小規模宅地等の特例」が適用される要件として、従来は

1.被相続人の身体または精神上の理由により介護を受ける必要があるため老人ホームに入所したと認められること(原則、特別養護老人ホームの入所者など)
2.いつでも家に戻れるように建物の維持管理が行われていたこと
3.入所後、他の者の居住の用などに供していた事実がないこと
4.老人ホームは、被相続人またはその親族によって所有権や終身利用権が取得されたものでないこと


の4要件とされておりましたが、今回の改正により

1.被相続人に介護が必要なため入所したものであること
2.家屋が貸付けなどの用途に供されていないこと


の2要件に緩和されます。


大きく変わった点としては、「建物の維持管理」と「終身利用権が取得されたものでないこと」に関する要件が撤廃されたことです。


今まで「小規模宅地等の特例」の適用を受けるため、終身利用権の取得にあたる有料老人ホームの入所を拒むというケースがあったようです。


そもそも税制のみを原因として、消費者が通常行うべき経済活動や消費活動が阻まれる現象は、税法上において「非効率的」と言われ、立法においても可能な限り避けるべきと考えられております。


今回の改正により、高齢者の将来のライフプランの幅が大きく広がった点において、非常に意味のある改正と言えるでしょう。


 

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