こんにちは。
収益の計上時期で迷うケースとして、比較的長期に渡る役務の提供等に対して、一括で対価を受領した場合があります。
将来の役務提供の対価を含めて受領した場合、会計上は、原則として役務提供未了に対応する部分は収益を認識せず、前受収益として処理することになります。
税務上も、会計に基本的には準じることとなりますが、将来の期間との明確な対応が難しい場合、「管理支配基準」という考え方により、受領時点で全額を収益として認定するケースがあります。
一例として、治療に数年を要する歯科矯正に係る代金を一括受領するケースがあります(徳島地判平成7年4月28日判決、国税不服審判所昭和60年12月19日裁決他)。
http://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0302030000.html
上記のような例では、一括受領金額について、数年に渡って行う役務の提供に係る対価であるものの、将来の期間との明確な対応が難しいことと、返還の可能性が少ないことから、既に受領金額について事業者の経済的支配の下にあるものとして、受領時に収益として認定されます。
一方、長期大規模工事などについては、工事進行基準により、会計上、税務上共に工事の進捗率に応じて収益計上していくことになります。